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上がらない給与と1,620万の学費の壁。私が米国株つみたてを止めずに乗り越えたリアルな軌跡

(――36歳からの米国株とマルチインカムへの軌跡。今回は、我が家が直面した「子供たちの教育資金」という切実な現実と、それを愚直な積立投資でどのように解決していったのか、その舞台裏のすべてを書き残します。)

今からちょうど10年前の2016年。当時30代後半だった私は、会社員として日々必死に勤務を継続していました。日々の業務にはやりがいを感じていたものの、現実として重くのしかかっていたのが「なかなか会社の給与が上がらない」という厳しい状況でした。

世間ではマイナス金利政策といった経済ニュースが飛び交っていましたが、自分の手取り額が増える気配は一向にありません。「このまま会社からの給与だけに依存していていいのだろうか」という強い危機感を抱き始めていました。

給与が上がらない一方で、家族のライフステージは確実に進んでいきます。子供たちは無事に公立高校へと進学してくれましたが、本当の戦いはそこからでした。高校進学で一安心したのも束の間、大学受験を見据えた途端に、毎月の塾の費用が重くのしかかってきます。さらにその先には、大学の入学金や莫大な学費という、これまでとは桁の違う巨額の資金が必要になる現実が待っていました。

高校時代の塾費用を具体的に計算してみたところ、想像を超える巨額の数字が弾き出されました。高校1年生と2年生の段階でそれぞれ年間50万円。そして勝負の高校3年生になると、おおよそ130万円ほどの費用が見込まれたのです。つまり、大学に入学する前の「塾代だけ」で、子供1人あたり合計約230万円という莫大な資金が必要になるという現実でした。我が家は子供が2人ですので、塾代の総額だけでおよそ460万円。

さらに、本当の試練は大学合格の後に待っていました。長男は私立大学の文学部に入学することになりましたが、大学4年間の入学金と学費を合わせると、おおよそ500万円もの費用がかかります。そして、次男に関しては、私立大学の工学部へと入学することになりました。ご存知の通り、実験や設備費がかかる私立理系・工学部の学費は、文系よりもさらに高額になります。具体的に計算してみたところ、入学金と4年間の学費で、およそ660万円ほどかかる見込みとなったのです。

先ほどの塾代(2人分で約460万円)と、長男・次男の大学学費(500万円+660万円)をすべて合算すると、子供2人の教育費総額は、実に1,620万円という凄まじい現実に直面することになりました。中小企業の管理職の給与だけで、この1,600万円を超える巨額の現金を一体どうやって捻出し、子供たちの未来を支えればいいのか。電卓の数字を前に、当時の私はただ圧倒され、冷や汗が流れるような深い焦燥感の中にいました。

会社の給与が上がらないなら、自分で資産を「育てる」しかない。焦って一発逆転を狙うようなギャンブルに手を出すわけにはいきませんでした。私たちが守らなければならないのは、子供たちの確実な未来だからです。そこで私が冷徹に電卓を叩き、導き出した現実的な戦略が、世界を牽引し続ける米国の成長に乗っかる「米国株インデックスファンド」による積立投資でした。毎月の家計を徹底的に見直し、捻出した「毎月5万円」という金額を、毎月愚直に買い増していくルールをここから開始いたしました。

幸いなことに、高校に関しては2人とも公立高校に進学してくれたため、日々の生活において高校自体の学費を大きく抑えることができました。しかし、ここで浮いた資金を生活費に溶かしてしまうわけにはいきません。私たちは、この公立進学によって確保できた余力を、最も重たい「塾代」と将来の「大学入学資金」を賄うための防衛資金として、すべて集中させていく戦略を取りました。親族からいただいた大切な「お祝い金」なども、一切無駄にすることなくすべてこの米国株(S&P500)の口座へと流し込んでいきました。

さらに、この資産防衛の旅を加速させるため、私はもう一つのアクセルを踏み込みました。お祝い金などの臨時収入が入った際には、毎月のインデックスファンドへの積立とは完全に枠を切り離し、「米国株の個別株」の購入も積極的に行っていったのです。個別株の投資に関しては、ガチガチに縛った細かいルールはあえて決めませんでした。本業のビジネスの現場で培ってきた感覚を頼りにしながら、ある程度自分自身が事業内容に納得し、今後の成長に強く注目した銘柄を、その都度スポットで拾い上げていくというスタイルを取りました。

もちろん、10年間の株式市場は常に順風満帆だったわけではありません。途中で世界を襲った大暴落や市場の冷え込みなど、山あり谷ありの局面は何度もありました。何より、リアルタイムで子供たちの塾代や入学費用、毎年の学費の支払いが次々と続きましたので、必要に応じてその都度口座から資金をおろす局面もありました。

しかし、ここからが我が家の投資の最大の転換点です。「支払いのためにその都度おろすことはありながらも、インデックスファンドの毎月の積立購入についてだけは、何があっても絶対に止めずに継続した」のです。株式市場の相場から決して退場せず、仕組みを動かし続けました。

現在、長男と次男はともに大学在学中の状況にあります。文系と理系工学部という、我が家の歴史の中で最も巨額の支出がリアルタイムで発生している真っ只中ではありますが、この積立を信じて継続したことにより、当時の私を震撼させた全ての教育費を、会社からの給与を一切切り崩すことなく、完璧に全額賄えている状況にあります。

このつみたて口座に関しては、おろす時期がありながらも愚直に継続したことで、現在の段階で「合計でおおよそ760万円」ほどの手堅い資産が美しく積み上がっており、これからリアルタイムでかかってくる学費の支払いに対しても、すべてここから充てていく予定であります。

日々の生活と重たい支払いをしっかりと守りしながらも、相場に居座り続けることでこれだけの防衛資金を自らの手で確実に残せているという最高の現実。10年前、電卓を叩きながら未来の教育費の現実に途方に暮れていたあの日の私に、声を大にして伝えてあげたい。

「おろすことがあってもいい、それでも積立の仕組みだけは絶対に止めるな。相場に居続け、愚直に継続したその先に、本当に安心できる家族の未来が待っている」と。

我が家のマルチインカムへの歩みは、この米国株の成功を確固たる基盤としながらも、ここからさらに「売電収入」「資産管理法人の設立」「アパート大家経営」へと、新たな進化を遂げていくことになります。

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