日経新聞に掲載されていた特集記事、『危機が刻んだ金の足跡』が非常に読み応えのある内容でした。
紙面に掲載された長期チャートを見ると、金(ゴールド)がいかに世界の「危機」や「通貨価値の希釈」とともに価値を高めてきたかが一目で分かります。
- 1971年:ニクソン・ショック(ドルと金の交換停止)
- 1979年:イラン革命・アフガニスタン侵攻(有事の金)
- 2008年:リーマン・ショックと大規模な金融緩和
- 2020年:コロナショックと世界的な超金融緩和
- 2022年〜:ウクライナ侵略をはじめとする地政学リスクの高まり
そして現在、金相場は史上最高値圏を突き進み、5,000ドルというかつては考えられなかった水準を突破しています。
投資をしていると、日々の値動きや株式・不動産の利回りに目が行きがちですが、この記事を見て改めて「資産を守るとは何か」「通貨の価値とは何か」を深く考えさせられました。
今回は、この記事から読み解くゴールドの本質と、個人投資家がどう向き合うべきかについて整理してみたいと思います。
1. 金が上がっているのではなく「法定通貨が薄まっている」
金が最高値を更新しているニュースを見ると、「金が値上がりして儲かった」と捉えがちです。
しかし、歴史を振り返ると見えてくる本質は逆です。
「金自体の価値が劇的に上がったのではなく、世界中のペーパーマネー(ドルや円などの法定通貨)の価値が薄まっている」ということです。
政府や中央銀行は、リーマン・ショックやコロナ禍のような危機が起きるたびに、市場を救うために大規模な金融緩和を行い、通貨を大量に発行してきました。
しかし、人工的に刷り増すことができる紙幣とは異なり、地球上に存在する金の埋蔵量には物理的な限界があります。
「無限に刷れる通貨」に対して「有限の実物資産」である金の希少性が相対的に高まり続けるのは、ある意味で必然の帰結と言えます。
2. 金(ゴールド)の弱点と、それでも持たれる理由
もちろん、投資対象としての金には明確なデメリットもあります。
- インカム(配当・利息・家賃)を一切生まない
- 保管コストや盗難リスクがある(現物の場合)
- 平時の好景気・金利上昇局面では株式に劣後しやすい
不動産のように毎月チャリンと家賃を生むわけでもなく、株式のように企業の成長や配当金を受け取れるわけでもありません。
それでもポートフォリオの一部に金が選ばれ続けるのは、「株式や不動産が暴落するような最悪の有事・インフレ局面で、ポートフォリオ全体を救う最強の盾(ヘッジ機能)」になるからです。
「攻め」のアセット(株や不動産)で資産を最大化しつつ、「守り」のアセット(金やキャッシュ)を少し忍ばせておくことで、精神的な安定と致命傷を避ける体制を作ることができます。
3.「令和の住宅すごろく」との奇妙な共通点
ちなみに、今回の日経新聞の下段には『令和の住宅すごろく「半投半住」』という記事も掲載されていました。
昭和の時代は「郊外の庭付き一戸建て」がゴールでしたが、現代の令和では、都心のマンションを資産として買い替えながら暮らす「半投半住」がトレンドになっているという話です。
これも一見別の話題に見えますが、根底にあるのは「現金(預金)で持っているだけでは資産が目減りしてしまうから、実物資産(都心マンションやゴールド)に形を変えてインフレを乗り越えたい」という同じ防衛本能の表れだと感じます。
現金をただ銀行口座に置いておくだけでは、物価上昇と通貨安によって実質的な購買力が削り取られていく時代に入っています。
まとめ:自分の資産ポートフォリオを点検する
「有事の金」という言葉がありますが、私たちが生きるこれからの時代も、地政学リスクやインフレ、国家債務の拡大など、不確実性は尽きません。
- 毎月安定したキャッシュフローを生み出す資産(不動産・高配当株など)
- 世界経済の成長に乗る資産(インデックス株式など)
- 通貨危機や最悪のシナリオに備える実物資産(ゴールドや優良不動産)
特定のアセット一つに全財産を賭けるのではなく、それぞれの資産が持つ「役割」を理解してバランスよく配置することの大切さを、今回の日経記事は改めて教えてくれているように思います。
皆さんは、ポートフォリオの中に「金(ゴールド)」や「インフレヘッジ資産」を組み入れていますか?
ぜひ皆さんの資産防衛の考え方も教えてください!


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